コーヒーに惹かれ始めたのは、大学時代に友人の勧めでコーヒーのおいしい喫茶店を紹介してもらい、実際に飲みに行ってからでした。
当時はコーヒーの味もわからずに、「モカは甘い香りがするから苦みのあるマンデリンが好きだな」とかツーぶって言っていました。
忘れられない至福な時間
その喫茶店の場所は、下宿から結構遠く時間のある時に、バイクに乗ってコーヒーを飲みに行っていました。
今思うと味わうというよりも、1人でバイクに乗ってコーヒーを飲みに行くというシチュエーションに酔っていた感じがします。
大人になった気分を味わっていたのかもしれませんね。
下宿では深夜に好きなラジオ放送を聞きながら、1人分のコーヒー豆を挽き、香りを楽しむ。そして、ドリップにお湯を注ぎ、挽いた豆がふくらむのを楽しむ。淹れたコーヒーを、じっと眺めながら飲むコーヒーは特別な感じがしました。
当時はタバコを吸っていましたので、憩いの空間としてもランクが上がります。余談ですが、コーヒーのカフェインはタバコのニコチンを緩和する役割があるそうで、罪悪感が薄れてより楽しむことができました。
それはだいたい真夜中の時間帯で、ラジオでは「オールナイト ニッポン」が流れていました。
時間が立つのを忘れ、私にとっては至福の時間でした。
教えてもらったのはチェロ奏者
喫茶店の紹介もそうですが、コーヒーの淹れ方を教えてもらったのは、大学の吹奏楽団のチェロ奏者でした。
音楽の趣味は全く合わないのですが、不思議と下宿に遊びに来ていたおかしな仲間でした。
おもてなしにインスタントコーヒーを出していたのですが、ドリップコーヒーを勧められたのが切っ掛けでした。よほどインスタントコーヒーが不味かったのでしょうか。
必要な道具、具体的な淹れ方は教える喫茶店で聞けとのこと。今思うと雑な教え方です。
喫茶店に通って聞く
教えられた喫茶店のカウンタに座り、ジッとコーヒーの淹れ方を見ていました。道具はそれほど変わったものはなく、ミルとドリッパー、コーヒーフィルター、サーバー、ポットです。コーヒーフィルターは紙ではなく布でした。紙のフィルターは匂いがするので、専門店では布フィルターが多いとのことです。
百貨店に行って、ミルとドリッパー、サーバー、紙フィルターを用意しました。ミルは学生にとっては高かったですね。コーヒー豆は、最初は喫茶店で買った記憶があります。
それと、コーヒーの本を友人から勧められていましたので購入しました。
シャワーヘッド ミラブルzeroいざ発進
いざ下宿に帰って挑戦です。電気ポットでお湯を沸かしながら、ミルでコーヒー豆を挽く。ここで香りが立ちだします。
ドリッパーに紙フィルターを設置し、挽いた豆を入れる。いよいよお湯を注ぐのですが、本と喫茶店で見た様子を見よう見まねで行います。
挽いた豆が想像していたよりも、膨らまなかった記憶があります。豆の鮮度との関係のようです。味は悪くなかったです。
(豆知識)喫茶店のコーヒー豆は、回転率の速いところは良いですが、そうでもない所は当然豆の鮮度が落ちます。鮮度を追求するならば、コーヒー豆の専門店で購入した方が良いですね。
たまに来るコーヒーを教えてもらった友人にも振る舞い、アアでもないコーでもないとツーぶって講釈を垂れているのを聞いていました。
コーヒーの一連の所作と、香りを含む雰囲気に満足していました。けれども、味には決して満足していなかったですね。
1番嬉しかった事
残念ながら、自分の淹れるコーヒーに満足はしていなかったですね。何かが足りないような感じで、その何かが分からない状態でした。
ある日、コーヒーに不慣れな友人が夜にやってきました。その友人にコーヒーを淹れてふるまったら、「こんなうまいコーヒーは飲んだことがない」と大絶賛。私もビックリです。
冗談やろと思ったのですが、コーヒーに不慣れな人にとっては悪くないんだと自信がわいてきました。私にとっては、今までであんなに褒められたのは、この1回だけです。今でもあの状況は忘れられません。
お世辞でも嬉しかったですね。
60歳代ランキング
また始めよう
あれからザッと40年。コーヒーから離れてはいないけど近くもなっていないです。
個人的には、名古屋にあった息子の下宿の近くの喫茶店のコーヒーが忘れられません。淹れ方はサイホンだったと思います。今思うと温度管理が抜群だったのかもしれません。
今やっと自分の時間が持てそうなので、おいしいコーヒーを捜してみようかなと思います。
おいしいコーヒーに出会えたら、またお知らせしますね。
至極がもたらす、至福のひととき。blissful coffee(ブリスフルコーヒー)